2011年7月27日水曜日

【翻訳】断面図での「なんちゃってポシェ」

先月行われたAIA National Conventionのブースで使用するSketchUpのデモファイルを作成している時に、手際のよいちょっとしたテクニックを発見しましたので皆さんと共有したいと思いました。皆さんにも気に入ってもらえると嬉しいです。

私が解決しようとした問題:SketchUpの[断面平面]ツールで断面図を表示する時にモデルのパーツを切り取りますが、切り取ると壁面や床版など、隙間が無いはずのエリアの隙間が埋まりません。建築家は図面を読みやすくするために、よく間質領域を黒く塗ったりハッチングを施します。この穴埋めをポシェと呼びますが、SketchUpでは自動表示ができません。


デフォルトではSketchUpは断面線を太く表示しますが、面の空間が埋まりません。(上図)


断面図を影で塗りつぶすとわかりやすくなります

私はSketchUpを使ってどこでスライスしてもポシェを表示したいと思いました。さらに、モデルをLayOutに差し込めばポシェもそのまま引き継ぎたいと考えたのです。

私はモデルの面のカットを[断面平面]ツールを使って始めてみました(下図)。断面オブジェクトを右クリックして「ビューを揃える」を選択し、断面図と垂直になるようにビューを向けます。正投影ビューで拡張できるように遠近法をオフにします(カメラ>平行投影)。
最後に、新しくシーンを作成します。そうすることでナビゲーションが簡単になり、後でLayOutでビューポイントを作成するときに必要になってきます。


モデルの全体図


平面断面を実行、選択して右クリックで表示されるメニューから「ビューを揃える」を選択します


右側からの図です。しかし遠近法は正投影ではありません。


メニューから、カメラ>平行投影を選択して正投影に表示を変えます。

次はスタイルを使いましょう。断面図を白黒にするために、SketchUpに標準装備されているデフォルトスタイルから陰線スタイルを選択しました。このスタイルは切断面を示すためにエッジを厚くしますが、先に述べたように間の空間を埋めることはしません。しかもわずらわしいことに、断面図の向こうにあるエッジが切断面に現れます(下図)。
これでは見た目にも紛らわしいですし、プロの仕事として失格です。もしわたしが建築学校でこんな風に図面を書いたら、教授は罰として私にスタジオを一周させるでしょう。


スタイルで「陰線」を選択すると白黒になりますが、問題が発生します


断面図の無効にあるエッジが見えてしまい、好ましくありません

テクニック #1: モノクロが解決策
昨年の投稿記事がピントになって、面スタイルの前面を白に、背面を黒に設定して自動でモノクロ設定ができました(下図)。


デフォルトの面スタイルで、白と黒を選択することでモノクロ面スタイルになる


このセッティングは面が裏返っていることを除けば上手く行きました

作業は少し楽になりましたが、面のいくつかは上手く行っていません(上図)。作業をもっと簡単に確認できるように黒を少し明るめの色に変えて、それから裏向きになって欲しくない面を右クリックして「面の反転」を選択しました。最終的には断面図を(表示>断面平面)で見えるようにし、面を選択しやすくなりました。


一時的に黒色を黄色に変えて作業が見やすくなりました


間違った面を反転させるのに数分ほどかかります


設定が終わったら黒に戻します

テクニック #2: 断面図のダイエット
次の問題は簡単に解決できました。断面図で私の新しいポシェと組み合わせると、エッジが厚くなり重く見えてしまいます。そこで厚い部分を薄くすることにしました。スタイルダイアログボックスのモデリングタブで設定することができます(下図)。


デフォルトの断面図では断面カット線の幅が3なのでポシェと合わせると重く見えてしまう


断面カット線の幅が1だとちょうどよい

テクニック #3: 断面図を隠す
スタイルダイアログボックスのこのセクションで作業をしている時に、スタイルを適用している間は断面平面オブジェクトは見えないことに気がついたので、断面平面チェックボックスは外しました。


スタイルダイアログボックスのこのセクションにいる時は断面平面チェックボックスは外す

テクニック #4: 丸い影は取り除く
次に私が直面した問題は少し大変でした。下の画像で、イームズのラウンジの下部分に曲面を特徴付ける影の階調度があるのにお気づきでしょうか。線画ではこの影は必要ないものです。


上図の影は見た目が良いですが、私が作ろうとしている図には適していません

この影はSketchUpに内蔵されたレンダリングエンジンが自動で作り出したものです。この機能は普段とても役に立つものですが今の私には必要ありません。深夜にしばらく試行錯誤した後、やり方がわかりました。ポイントは2つです。
  • 影設定の「シェーディングに太陽を使用する」にチェックを入れる。これで影がオフになっていてもSketchUpで面のレンダリングをする時には影のエンジンを使います。
  • 「暗」スライダーを一番右に設定する。暗を100に設定すると影が見えなくなり、モデルの曲面部分の影がなくなります。


「シェーディングに太陽を使用する」を有効、「暗」の値を100にして曲面の影をなくします


影が消えて、きれいな白黒の線画になりました

テクニック #5: 外形線を1にセットする
自分が発見した外形線の厚さを(0ではなく)1にするメリットに従い今回もその通りにしました。このことでモデルの全てのグループやコンポネントの境界線が分厚く見えることなく、曲面や多角的な面のアウトラインがはっきりと見えます。下図で適用前と適用後が比較できます。見た目が良くなります。


外形線を全て消してしまうと、曲面オブジェクトが見えなくなってしまう


スタイルダイアログボックスのエッジセクションで外形線の設定を行う


外形線を有効にして1を設定すると、左側のランプのような曲がった形状もはっきりと見える

もうひとつ
家が安定する厚くて良い土台が必要だったのでモデリングをしました。土台が空洞になってしまったので、同様に分厚いポシェを作りました。


モデルに厚い土台を加えた

全てセットしたところで、新しいスタイルを作成して「断面図」と名前を付けました。このスタイルを適応すると、モデルをカットしたかどうかに関わらず、私が表示したいように見えるようになります。


同じ建物の別方向の断面図


作成したポシェが平面断面で上手く機能している

投稿:Aidan Chopra、SketchUpエバンジェリスト
原文はこちら

2011年7月25日月曜日

【翻訳】SketchUpでのリアルタイムデザイン

Guy de Lijster氏はオランダ出身のデザイナーで、路面電車や地下鉄、バス停、時には橋など交通に関する建築を手がけるオレゴン州ポートランドにあるIBI Groupに勤めています。
彼に話を聞きました。

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私は2007年にOtakに勤めているときにSketchUpを紹介され、それ以来SketchUpを使ってとても楽しく仕事をしています。特にSketchUpの素晴らしさを実感するのは、クライアントやステークホルダー、デザインチームの他のコンサルタントとのミーティングでSketchUpを使ってリアルタイムでモデリングを行う時です。数年前私の同僚であるGary Hartnett氏が、クライアントに大喜びさせるためと、デザインを変えることで可能性と制約が変化することを理解してもらうツールとしてミーティングでSketchUpを使い始めました。

私たちが取り組んでいた、ワシントン州エバレットにあるCommunity Transitの高速バスステーションのデザインコンセプトのプロジェクトで、この機能が役に立ちました。
最初のワークショップの後で、私たちはコンセプトの改善案をいくつかSketchUpで発表しました。コンセプト案の一つは結局限りなく当初の計画に近くなりました。SketchUpでモデリングとプレゼンテーションを行うとクライアントは自分の考えがデザインに反映されていると感じ、建築上の挑戦的なデザインにも理解を示してくれました。
始めは彼らは波打ったり流動的なデザインを好みます。しかし特に限られた予算とタイトなスケジュールでは2方向でカーブしたキャノピーを建設するのは容易ではないことを、SketchUpでプレゼンテーションを行うと理解してもらえます。


高速バスステーションの3つのオプション。一番下のオプションが2010年に建てられました。

2007年の後半、私はアリゾナ州テンピのレイクタウンに歩道橋をデザインしました。クライアントであるT.Y. Lin InternationalのエンジニアとアーティストであるLaurie Lundquist氏とのミーティングでは、ノートパソコンにインストールしたSketchUpとプロジェクターを使って、クライアントから提示された歩道橋のコンセプトを効果的にプレゼンテーションしました。このことでチームは歩道橋のコンセプトについてリアルタイムで理解できましたし、近隣にある、デザインに対して非常に慎重なTempe Center for the Artsとの関係についても調査できました。異なる橋脚からの視点はSketchUpのシーンを使って簡単にビジュアル化しました。モデリングもリアルタイムで透明度や視界、シェーディングなどの外観を分析できました。それから私はPhotoshopを用いてブリッジのレンダリングを行いました。Photoshopは水の反射を表現するのにとても役に立ちます。


SketchUpはまた、異なる影の構造を調査するのに素晴らしいツールです。地元アーティストのLaurie Lundquist氏と共同開発した日除けの帆は橋と一体化しており、洗練されかつ実用的です。

デザイン過程の最後において、SketchUpはもう一つユニークな役割を果たしました。SketchUpでそれぞれの2つのアーチのトップ部分を編集して右側のアングルを決定すると、2つのアーチが突然重なります(コンポーネント使用時で、両方のアーチが同時に変化します)。するとユニークなクロスしたアーチができます。これを私たちの案として提出しました。この橋は現在工事中です


シェーディング調査


工事中の橋

つい数週間前、駅のデザインと、高速バス路線と他の車との車線デザインのプレゼンテーションで、私は初めて写真照合を使用しました。3Dモデリングを実演するのに私はたった一つだけモデリングを作り、街並みは3Dセクションを使って、コンテクストスタディは写真照合を使って表示しました。

異なる車線構造

レイヤースイッチをオンオフして切替えをし、シーンをクリックしてセーブすることで、私たちは未来の公共交通指向型開発(TOD:Transit Oriented Development)が最終的に街並みにどう影響を及ぼすかを表示できます。またこの異なるレーンのオプションは異なるレイヤーとシーンに配置されており、シーンタブを一回クリックするだけで個々の影響を表示することができます。写真照合のシーンに変換することで、クライアントのリクエストに応えてリアルタイムで駅の形状を変えることができます。


高速バスステーションのレンダリング

多くの制約がある公共のプロジェクトにおいて、非常に直感的でリアルタイムでモデリングができるSketchUpは本当に素晴らしいと思っています。

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貴重なお話をありがとうございます。彼の事務所の素晴らしいレンダリングはこのアルバムで見ることができ、PDFでダウンロードできます。

投稿:Chris Cronin、SketchUp Proセールス
原文はこちら

2011年7月21日木曜日

【終了しました】Google SketchUp Pro8 夏休みキャンペーン

キャンペーンは終了しました

今年は節電でいつもより長い夏休みを過ごされる方もいらっしゃると思います。
Google SketchUp Pro8のバンドルと解説本がパックになったお得なキャンペーンを実施中です。
この機会にGoogle SketchUp Proを購入して、夏休み中にスキルアップしてはいかがでしょうか!
【キャンペーン期間】2011年8月31日18:00まで

終了しました

2011年7月13日水曜日

【翻訳】乗り物の機能向上デザインコンテストで作品を3Dプリントしてもらおう!

個人製作に関する記事です。友人である i.materialise社がSketchUpモデラーを対象とした3Dプリンティングコンテストを開催しています。

The Google SketchUp and i.materialise Pimp Your Vehicle Challenge(Google SketchUpと i.materialiseはあなたの乗り物デザインへの挑戦を待ってます)というコンテストで、拡張機能や取り付け具、または他の装置を使い乗り物の機能を向上させるデザインを募集しています。車や自転車、オートバイ、ホッピングなどあらゆる乗り物の機能を向上させるデザインが対象となります。

実際の例として、下の装置の写真をご覧ください。自転車のハンドルにGPSを取り付けられる装置です。



i.materialise社とSketchUpチームが審査して1位から3位まで決定します。1位はZcorp multicolor printerで出力した自分の作品と、SketchUp Pro8のライセンスです。さらにi.materialise社のエンジニアと製品開発担当者が1位の受賞者と一緒に商品化をお手伝いします。

詳細はコンテストの公式サイトをご覧ください。締め切りは2011年7月14日です。頑張ってください!
【訳者注:この原文記事は2011年6月16日に投稿されたものです】

投稿:Aidan Chopra、SketchUpエバンジェリスト

原文はこちら

2011年7月12日火曜日

トレーニング開催のお知らせ

米国Google社より認定を受けたATCトレーナーによるSketchUpトレーニングが2011年8月4日に開催されます。
コースはGoogleSketchUp初級+中級コースと、GoogleSketchUp実践コースです。

初級+中級コース(4時間)

Google SketchUp Pro の機能紹介をしながら、実習していきます。受講者1人につき1台のPC(Windows)を用意しています。
初級トレーニングでは、基本的なコマンドの説明と作図演習、 中級トレーニングでは便利な機能を使った演習を行います。テキスト付き。
SketchUpを初めて体験される方に適したコースです。

主な講習項目
  • SketchUpの特性を理解したモデリング(グループ・コンポーネントの使用)
  • オフセットや、移動・回転・スケーリング演習
  • 他フォーマットファイルのインポート・エクスポート
  • GoogleEarth・3DWearHouseとの連動
  • PhotoMatchを使った写真パース合わせ

実践コース(2時間)

Google SketchUp Proの機能紹介をしながら、実習していきます。受講者1人につき1台のPC(Windows)を用意しています。
実際に建築物をモデリングしながら、留意することや技を学びます。
講習の最後に、受講者様それぞれの疑問や悩みを解決する時間をとりますので、即実践に使われたい方にオススメです。

主な講習項目
  • 図面(DXF)の取り込み、配置
  • 基礎、床、壁、屋根の作成
  • コンポーネントの配置と編集
  • ページの設定と効果的なプレゼンテーション
  • 個別対応
トレーニングの詳細についてはこちらをご覧ください。